NHS(National Health Service)は、イギリス国内で提供される国民健康サービスです。
イギリスの学生ビザ申請時にNHSの支払いも行われるため、その詳細について疑問を抱いている方も多いかもしれません。
この記事では、NHSの仕組みと登録方法について分かりやすく説明します。
イギリス留学のNHSの仕組み

NHS(National Health Service)は、イギリス国内で提供されている国民健康サービスです。イギリスの医療サービスには、税金で運営される公的医療サービスであるNHSと、民間の医療サービスが存在します。
NHSは、イギリス政府が運営し、国民全体に所得にかかわらず包括的な医療サービスを提供することを目指しています。NHSはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの各地域で独自に運営されており、基本的な制度は共通ですが、地域によって一部のサービスに違いがあります。
以前は、イギリスでの医療費はすべて無料でしたが、後に処方薬の一部、眼科検診、歯科治療には自己負担が導入されました。
NHSを留学生は利用できるの?
2015年以降、以下の条件を満たすイギリスに滞在する人々は、NHSを利用することができます。
- 学生ビザを持つ留学生
- ワーキングビザ(YMSなど)を持つ働く人
- 永住ビザ(パートナーシップビザ、結婚ビザなど)を申請する移住者
ただし、「Immigration Health Surcharge(入国時医療費サーチャージ)」をビザ申請前に支払う必要があります。Immigration Health Surchargeは2023年9月現在、1年間につき£470です。この料金を支払うことで、イギリスに滞在中は緊急の場合にNHSで提供される医療サービスを受ける資格が得られます。
※短期留学(6か月未満)の場合は登録できないので、必ず海外旅行傷害保険に加入してください。
NHSの利用する前に確認しておくべきこと
NHS利用にあたり、まずしなければいけないことはBRP(Biometric Residence Permit)の取得です。BRPカードは、イギリスや一部の他の国で発行される、外国人の滞在許可証明書の一種です。BRPカードは、生体認証データ(指紋や写真など)を含む個人のバイオメトリクス情報を保持し、外国人が合法的にイギリスに滞在する資格を証明するために使用されます。
イギリスでNHSを利用するまでの流れ

NHS(National Health Service:国民保健サービス)を利用できるまでの一般的な流れは次のようになります。
- 最寄りのGPを探す
- 登録手続き
- 登録完了レターの受け取り
最寄りのGPを探す
居住地域のポストコードをNHS.UKの「Find a GP」ツールで検索し、最寄りのGPを見つけます。ただし、一部のGPは新規患者を受け付けていないことがあるため、受付状況を確認しましょう。
登録手続き
GPを見つけたら、電話で予約をするか直接行って登録の手続きを行います。
GPの登録申請には、
- 「直接窓口訪問」
- 「Web申請」
の2つの方法があります。
Web申請の場合、各GPのウェブサイトにアクセスし、新規登録者向けの手順に従って申請を行います。
直接窓口に行く場合、以下の必要書類を持参してGPに申し込みに行きます。
- 登録申請書(GMS1):Webサイトからダウンロードできます。
- 身分証明書:BRPカード、運転免許証、パスポートなど。
- 住所証明:光熱費の請求書、Bank statement、Tenancy Agreementなど
一部のGPでは、追加の申請書記入が必要な場合があるため、GPの指示に従ってください。
登録日当日は、簡単な問診や身体測定を行います。
※GPは引っ越しをするたびに、新しい居住地域の最寄りのGPに登録し直す必要があります
登録完了レターの受け取り
GPでの登録手続き後、数日後に登録完了を知らせる手紙が届きます。この手紙にはかかりつけ医の名前とNHSナンバーが記載されています。NHSナンバーは、NHSでのサービス利用時に必要です。
最後に

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